仕事では、コミュニケーション能力が求められるとよく言います。
しかし、コミュニケーション能力が高いからといって、仕事ができるわけではありません。
コミュ力が高い人は、過大評価される
コミュニケーション能力の定義や、その能力の優劣の判断は人によって異なると思いますが、ここでは、他者と良好かつ自分にとって有利な関係性を築ける人をコミュニケーション能力が高いとします。(「学校は社会の縮図」の関係性構築力についてもご参照ください)
このコミュニケーション能力を持つ人は、しばしば過大評価をされています。
それは、人の評価は主観に満ちており、関係性が影響するからです。
あなたと良好な関係を築いて、好感を持っている人と、関係が悪く、嫌っている人がいた場合、両者が同じ言動をしても、評価は必ず異なっています。
好感を持っている人と、嫌っている人の評価がまったく同じということはなく、好感を持っている人に対して、より良い評価を与えていることでしょう。
コミュニケーション能力が高い人は、周囲と良好な関係を築いているので、例えば、コミュニケーション能力が低く、周囲とあまり良い関係が築けていない人と比べると、良い評価をされがちなのです。
また、良い評価をされる場合だけでなく、悪い評価をされる場合も同じです。
例えば、コミュニケーション能力が高い人と、コミュニケーション能力が低い人が、仕事で全く同じミスをした場合、コミュニケーション能力が低い人は、高い人に比べ、より悪い評価を与えられるのです。
コミュニケーション能力の高い人は、周囲と良好な関係を築いており、なおかつ、ミスをごまかしたり、他人のせいにして言い訳をするのが上手なので、甘い評価をされがちですし、許してもらいやすいのです。
そのため、実際には大して仕事ができない、していない場合でも、過大評価され、仕事をしている、仕事ができると評価されることが多いのです。
コミュ力が低い人は、過小評価される
反対に、コミュニケーション能力が低い人は、過小評価されがちです。
仕事はそこそこでき、全く遜色のない仕事をしていたとしても、コミュニケーション能力が高い人に比べると、低い評価をされがちです。
コミュニケーション能力が低いと、周囲とあまり良い関係が築けていないので、それが評価にも影響してしまうのです。
環境(人も含め)にもよりますが、ひどい場合だと、仕事をしないコミュニケーション能力の高いものが、仕事がそつなくできる、コミュニケーション能力の低い物よりも、良い評価をされている場合があります。
コミュニケーション能力が低い人は、コミュニケーション能力が高い人と同等の評価を得るためには、コミュニケーション能力が高い人以上に頑張らなければならないのです。
コミュニケーション能力の低い人は、頑張ってもなかなか評価されにくいですが、長くその組織内にいれば、自ずと周囲との関係性が変わってきて、評価が好転する場合もありますので、ある程度、我慢が必要かもしれません。
関係性を見極めたうえで人を評価し、人をいかそう
コミュニケーション能力が高いだけで、仕事はイマイチという人もいれば、コミュニケーション能力は低いが、仕事はそつなくできるという人も多くいます。逆もまた然りです。
コミュニケーション能力が高い人にだまされないよう、コミュニケーション能力の低い優秀な人材を手放さないよう、人を評価する際は、関係性も見極めたうえで、自分が下す評価にバイアスがかかっていることを意識したうえで、評価するようにしたほうが良いのではないでしょうか。
コミュニケーション能力が低い人は、不当に低い評価をされ、理不尽に思うかもしれませんが、コミュニケーション能力が低いのもあなたの特性の一つです。
それを受け入れ、人より頑張って人並みの評価を得るか、周囲とのコミュニケーションに尽力するしかありません。
少なくとも、上司に限らず、一緒に仕事をする同僚と、仕事の報告・連絡・相談くらいはしっかりするようにしましょう。
コミュニケーション能力が低い人にとっては、世間話をするよりかは、仕事の話をするほうが簡単だと思います。
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