傷つくほど強くなるって本当ですか?

人生

「人は傷つくほど強くなれる」と言われることがあります。
歌の歌詞なんかでも、ありがちなフレーズですね。
これに疑問を感じたことってありませんか。

傷つくことは怖い

傷つくのは怖いことです。
できるなら誰だって傷つきたくないでしょう。
そのネガティブなものにポジティブな意味を与えるために、「傷つくと強くなる」という言葉が存在しています。
しかし、傷つくと強くなるということに根拠はありません。

 

傷つくと他人の痛みがわかるようになり優しくなれる?
確かに、傷ついた他人と同じようなことで傷ついた経験があれば、その時に感じた痛みを思い出すことはできます。
ただし、これはあなたが傷ついた時にあなたが感じた痛みです。
他人があなたと全く同じ傷を持ち、全く同じ痛みを感じているとは限りません。
他人が感じているのは別の痛みかもしれません。
勝手にわかった気になって、優しくしても、それが他人にとって意味のある優しさとは限りません。逆に余計に相手を傷つけてしまうことだってあり得ることです。
傷ついたからといって、他人の痛みがわかるようになったわけでも、他人にとって優しくなれたわけでもないのです。

傷つくと耐性ができる?
傷つくことに慣れて、少しのことでは傷つかなくなるとか、タフになるという意味ですね。
一言で言えば、傷つくことに鈍感になるということです。
確かにそういう人もいるかもしれません。
でも、傷つくと痛いですよね。
痛いと当然それを避けようとするのが、ある意味人間の本能ですよね。
傷つき痛いことが増えれば増えるほど、痛みを避けようとすることが増えるのではないでしょうか。
これは傷つけば傷つくほど弱くなっていると言えるのではないのでしょうか。

 

そもそも傷つくほど強くなれるのであれば、極論ではありますが、強い人になってもらうために、どんどん人を傷つけて良いということになってしまわないでしょうか?

傷つくことは怖いことですし、それを避けるのも当たり前のことです。
だから人を傷つけないようにしようと教えられるのです。

 

傷つくほど強くなれるは、傷ついた時の対処法の一つ

ではなぜ、傷つくほど強くなれると言われることがあるのでしょうか?
これは、傷ついたことを肯定的に捉え、意味を与え、自分にとって有益であったと思うことで、傷を癒すための対処法の一つなのだと思います。

ただし、あくまでも対処法の一つです。
無理に傷ついたことを肯定的に捉えたり、傷つけられたことを、受容する必要はありません。
傷つくことで強くなれたと傷を癒そうとしても、正直しんどいと思います。
傷ついたということは、そんなに簡単に受容できることでも、前向きに捉えられることでもないのですから。
そうできない自分はダメなんだと余計傷つく可能性だってあります。
だから、傷ついたら強くなれる人もいるらしいくらいでいいと思います。

 

傷ついた時の対処法

忘れるしかありません。
別に意識しなくても、皆さんがやっていることです。
傷ついてすぐの時は、ずっと意識下にあって、痛みを感じたりしますが、時間の経過とともに、傷ついたことやその痛みについて、意識下にあることは自然と減ってくることと思います。
ふとした瞬間に傷ついたことやその痛みについて、思い出すこともあります。
でも、ずっと思い出し続けていることはありません。
思い出したことも自然と忘れます。

結局、傷を消すことはできませんので、無理に傷を癒そうとして傷を意識しすぎて、いつまでも覚えているよりも、自然の流れに任せて忘れるのを待ったほうが良いかもしれません。

忘れるのを待っている間はとてもしんどいと思いますが、すぐさま傷を癒す方法というのはないのではないでしょうか。

 

嫌でも人は傷つけられる

傷つけられるのは嫌です。
でも、人は日常的に傷つけられながら生きています。
人を傷つけるような言動を平気でやっている人なんて山ほどいます。
この世は悪意に満ちていると感じることさえあるでしょう。
もしかしたら、私もあなたも気づかないうちに人を傷つける言動をしてしまっているかもしれません。

傷ついて強くなるより、愛されて強くなりたいものですね。

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