転校が子供に与える影響

転校が子供に与える影響 雑感

私の父は、元銀行員で転勤族であったため、私は、2度の転校を経験しています。
転校が子供に与える影響は思いのほか大きいものです。
不登校やいじめを原因として転校する場合もあるようですが、親は転校が子に与える影響を十分に考慮してほしいと思います。

転校時の年齢

転校時の年齢が低いほど、転校後の学校生活はスムーズ

私の、一度目の転校は、小学校3年生の4月でした。
年齢が低いうちでしたので、転校生は物珍しく、転校先の子たちからは、比較的歓迎され、馴染むのにそう時間はかかりませんでした。
他県への転校でしたので、言葉(方言)の違いで、多少からかわれたりということはありましたが、それでも特に大きな問題なく過ごせました。
経験上、転校する年齢は低ければ低いほど、転校先で馴染みやすいといえます。

また、いろんな地域や人に触れるため、ずっと一つの地域で育つよりは見聞は広がりますので、その点はメリットと言えます。

 

年齢が上がれば上がるほど、転校は難しくなる

二度目の転校は、中学校2年生の4月でした。
年齢が低いころに比べると、人間関係の難しさも出てきていますし、中学2年という中途半端な時期で、学校内の人間関係もある程度できている中に放りこまれますので、馴染むのに時間がかかったというか、馴染めなかった印象です。

周囲の人間も、歓迎ムードで積極的に関わってくるというよりは、遠巻きに様子を見ている感じです。
私の場合は、幸いにも声をかけてくれるいい人がいましたのが、それでも、この転校がなければ、もっと違う人間になっていた、もっと違う人生があったと思わずにはいれません。

 

転校先の地域性も影響する

一度目の転校時は、田舎から地方都市への転校でした。
個人的な印象でしかないのですが、田舎に比べると、都市部のほうが外部から来た人に対してはオープンです。それは、その地域に住む子どもにも共通していると思います。
一方、二度目の転校時は、地方都市から田舎への転校でした。
学校の規模も、一学年7~8クラスある学校から、一学年3クラス程度しかない学校への転校でしたので、外部から来た人間に対して、かなり閉鎖的だったと思います。
閉鎖的な環境に馴染んでいくということは容易ではありませんので、子の転校の際には地域性も考慮する必要があると思います。

スクールカースト最上位から最下層への転落

私が、二度目の転校で経験したのがこれです。

二度目の転校前(小3時~中1時)は、自分で言うのもなんですが、明るく活発で、クラスでも中心的存在でした。行事ごとではほぼ必ず、リーダー的役割についていましたし、人気もあったほうだと思います。成績もそこそこ優秀で、スクールカーストでは、最上位層にいたと思います。当時は、学校が楽しくて仕方がなかったですし、夏休みなんて早く終われと思っていたくらいです。

二度目の転校後(中2時~)は、その真逆の学校生活が待っていました。
一度目の転校のイメージがあったので、転校前はあまり難しく考えていませんでしたが、思った以上に馴染めませんでした。
その結果、スクールカーストでは最下層に位置付けられ、幸いいじめなどにはあいませんでしたが、性格的にも活発さはなくなり、暗いというレッテルを貼られ、クラスの中心からは程遠い存在となっていました。成績も下降傾向でしたし、転校前とのギャップから学校に行くのが苦痛でしかたありませんでした。
田舎であったため、高校の選択肢もほとんどなく、同じ中学の多くの人が通う公立校に進学したので、高校でもカースト最下層は継続しました。
学校生活において、カーストのどの層になるかは、学校生活の充実度に大きく影響するものです。そのため、転校後の学校生活は苦痛しかなかったというのが、今でも思うことです。

 

転校による、性格等の変化

私は、転校によって、それまでと真逆の学校生活を送ることとなり、それに伴い性格的にも真逆の性格となりました。

ただし、性格が完全に変わったというわけではないと思っています。
今でも、親しい人からは、暗い人などと言われることはなく、面白い、ひょうきん、根明と言われます。一方で、初対面や親しくない人に対しては、二度目の転校でなかなか馴染めなかったことがトラウマとなっているのか、苦手意識が強く、大人しいとか、暗いという印象を持たれていると思います。親しい人から根明と言われることからもわかるように、表面的には暗いという印象を与えがちなのでしょう。

ここから言えることは、性格が変わったのではなく、親しい人の前では、二度目の転校前の性格が出るが、それほど親しくない人の前では、二度目の転校後の性格が優勢となるということです。転校前に、優勢で表出していた性格の側面が影を潜め、転校後の性格が社会的場面では優勢になったということだと思います。

親しい人からは、もっと根明な面を出すほうが良いと言われますが、転校後の生活の中で、あまり親しくない人や社会的場面での出し方がわからなくなってしまったようで、うまく出せないのです。

自分でも、転校前の性格的側面を出すほうが、社会でも色々とうまくいきやすいとは思うのですが、二度目の転校で、馴染めなかった経験から、それができなくなってしまったのではないかと思います。

過去を美化している部分もあると思いますが、二度目の転校前のほうが楽しかったという思いはありますので、どうしても今の自分はこれじゃないという感があるのも事実です。
二度目の転校がなければ、もっと楽しく生きれたのではないかと思うこともあります。

 

最後に

上記は私の経験ですので、皆さんに当てはまるとは限りません。
転校によって、うまくいったという例もたくさんあることと思います。
ただし、転校によってうまくいかなくなる場合も多々あることも事実です。
特に年齢が高くなると、うまくいかないリスクも高くなると思いますので、不登校やいじめ等で転校を考えている方は特に、慎重に検討するほうが良いと思います。

また、転校の他のデメリットとしては、幼馴染や幼少の頃からの友人というのがいなくなる可能性があるということがあげられます。
親が転勤族で転校するのであれば、転校前の居住地が地元というわけでもないでしょうから、転校してしまえば、転校前の地域に戻る機会なんてほとんどないと思います。
そうすると、転校前の友人関係も、会う機会もないのですから希薄になりがちです。

こういったリスクもふまえ、子のその後の学校生活や人生に大きな影響があると理解したうえで、親は子の転校について慎重に検討すべきだと思います。

子のことを考えるのであれば、時に親が単身赴任をするという選択をしたほうが良い場合もあります。

親が転勤なのだから仕方がないなどと考えないほうが、子どものためです。

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