事象は関係性の中で生じる

くすぶり人の戯言 教訓

「※ただしイケメンに限る」という言葉があります。

一言で言えば、同じ言動でもイケメンであれば肯定的にとらえられ、そうでなければ否定的にとらえられるということです。

これが真理であるかはさておき、これに近いことは日常的に経験があるのではないでしょうか。

例えばある人について、Aさんの言動は肯定的・好意的に見られるのに対し、自分がAさんと同じ言動をした場合は否定的・悪意的に見られるという経験はないでしょうか。

この違いは、ある人と自分の関係性により生じるものだと言えます。

関係性とは

関係の度合い(深い浅い)や関係の良し悪し等により、主観的に規定されるものだと考えています。

例えば恋愛に関する相談をして、「そんな最低な男(女)、すぐ別れたほうが良いよ」と言われたとします。
これを、”関りが深い人や良好な関係を築いている人”から言われた場合と、”関りが浅い人やあまり好感を持っていない人”から言われた場合とでは、捉え方が異なります。

前者から言われた場合は”自分のことを考え、厳しいことも言ってくれる。親身にアドバイスをくれている。”と好意的に捉え、後者から言われた場合は”お前に何がわかるんだ?お前に言われたくない”と否定的に捉えるのではないでしょうか。
このように全く同じ言葉であっても、関係性が異なれば捉え方も異なるのです。

また、主観的にと言ったのは、他者との関係を明示すること、他者の思考・感情を読み取ることは不可能だからです。
自分が関りが深いとか、良好な関係が築けていると感じても、他者が同じように感じ・考えているとは限りません。
よって、自分と他者との関係性においては、相互に共通認識の関係性というのは存在しません。
関係性とは、あくまでも自分の主観に基づく認識により規定されているもので、自分が勝手にそう思っているものにすぎないのです。

人はこういった関係性を元に、相手の言動を自分の都合の良いように解釈しています。
自分自身がしていることですので、他者がこれをしているとしても納得できると思います。

そのため、同じことを言っている(している)のに自分の時だけ、否定されたと憤慨したりすることはできないのです。
それは自分自身もやっていることですから。

関係性を変化させることは難しい

自分が規定している関係性を変化させることは容易です。
自分と他者との関係性が良いと思い込めばいいのです。
そうすれば、他者の言動を好意的に捉えらえるでしょう。

ただし、他者の規定している関係性を変化させることは困難です。
上述した通り、関係性は個々人の主観により規定されるので、それを変化させることは容易ではありません。
他者との関りを増やしたり、他者に良い関係と思ってもらえるように振舞えば他者の規定する自分との関係性を変化させることもできるかもしれません。
しかし、こんな面倒なことよほど自分が好きだと感じている他者にしかできません。
全ての人との関係性を良好なものにするには、全ての人と関りを増やし、良い関係と思ってもらえるよう一人一人に合わせて振舞うしかありません。
とても大変そうですね。そのうち、ボロが出そうです。

それは関係性の中で生じていると理解しよう

他者と同じことを言っている(している)のに、自分の言動だけが否定的に捉えられても、否定的に捉えた人と自分の関係性がそういう関係性なのだと理解し、関係性は個々人の主観により規定されるものなのだから、相手が勝手にそう思っているだけと理解しましょう。
必要以上に憤慨しても、不快な思いをするだけです。

また、自分が他者の言動を否定的に捉えた場合は、自分が勝手にそう思っているだけと理解し、皆がそう思っているわけではないこと、自分の主観により歪んで捉えいる可能性があることを意識し、今一度冷静に他者の言動を振り返り、自分にとって有益なものまで否定してしまわないように気を付けましょう。

 

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