人間関係において、最も大切なのは、信頼関係だと思います。
それは、恋愛や結婚などの愛が絡む関係においても同じです。
ギブ・アンド・テイクの成立には信頼関係が必要
「世の中騙し合い」の中で、人間関係はギブ・アンド・テイクの上に成り立つということについて述べました。
この、ギブ・アンド・テイクの前提となるのが、信頼関係ですし、ギブ・アンド・テイクが成り立つことで、より信頼関係が深まると言えます。
人間関係において、ギブ・アンド・テイクは、必ずしも同時に発生するわけではありません。
例えば、AとBという人間がいるとする場合、AがBに何かを与えたとして、必ずしも、それと同時にAがBから何か受け取るというわけではないのです。
AがBに与えた何かは、売掛みたいなもので、Aが与えた分をBがいつか返してくれるという前提の下で、AはBに与えているのです。
この、いつか返してくれる前提というのが、信頼です。
AはBが返してくれるだろうと信頼しているから、Bに与えることができます。
ここで、BがAから与えられた分を、きっちりと返すことができれば、ギブ・アンド・テイクが成立し、ギブ・アンド・テイクが成立した実績が、信頼関係を深め、その後も、Aは売掛でBに与えることができます。
一方で、Bが何も返さなければ、ギブ・アンド・テイクは成立しません。
AはBは何も返してくれない人と、不信感を持ちますので、不信感を持つ相手に、売掛で何かを与えるということはしません。こうなると、当然、人間関係も疎遠になるでしょう。
ギブ・アンド・テイクの成立には、信頼関係が必要です。
どちらかというと、ギブ・アンド・テイクが成立して、信頼関係が築けると考える人が多いと思いますが、それも間違いではありません。
ギブ・アンド・テイクが成立すれば、間違いなく信頼関係は深まります。
ただし、ギブ・アンド・テイクの成立前にも信頼関係は必要です。
初めは、大した信頼ではないかもしれません。
期待や希望といった、”まあ、多分返してくれるだろう”ぐらいの、軽い、本当にちょっとした信頼は持っています。そもそも、全く信頼していない人とは関わろうとはしないと思います。
このように、人間関係の基礎となるギブ・アンド・テイクの成立には信頼が密接に関係しているのです。
恋愛や結婚などの関係にも、ギブ・アンド・テイクは必要
「無償の愛」などという言葉もありますので、恋愛や結婚などの”愛”が絡む関係性においては、ギブ・アンド・テイクは分けて考えられがちです。
しかし、恋愛や結婚などの”愛”が絡む関係性においても、ギブ・アンド・テイクは間違いなく存在しています。
それは、簡単に言えば、相手に愛情を与えることで、相手も愛情を返してくれるというギブ・アンド・テイクです。
別に愛情でなくても構いません。
ダメ男と付き合ってしまう女性がいると思いますが(逆もあると思いますが)、その関係においてもギブ・アンド・テイクは存在しています。
例えば、彼女がいないと生きていけないヒモ男がいたとしましょう。
彼女は、生活費という名の愛情をヒモ男に与えていたとします。
彼女はヒモ男から、何を受け取っているでしょうか。
それは、彼女がいないと生きていない、彼女が必要という依存心であり、彼女はヒモ男から”人から必要とされている喜び”のようなものを受け取っているのです。
何を与え、何を受け取ることでギブ・アンド・テイクが成立するかは、個人差がありますので、上記のようなことでも、ギブ・アンド・テイクは成立します。
そして、ギブ・アンド・テイクが成立しなければ、恋愛や結婚などの”愛”が絡む関係も成立しません。
あなたが、相手に愛情を与えていても、相手が愛情を返してくれなければ、その恋愛なり、結婚なりの関係を続けることは困難だということは、容易に想像できると思います。
上の例で言えば、ヒモ男が、彼女以外に、生活費をくれる人を見つけた場合、彼女を必要としなくても生きていけます。また、ヒモ男に必要とされなくなった彼女は、生活費を渡しても何も受け取るものがありません。ヒモ男と彼女のどちらから見ても、ギブ・アンド・テイクが成立しませんので、その関係の継続は難しいでしょう。
このように、ギブ・アンド・テイクが成立しなくなった時が、その恋愛や結婚などの関係が成立しなくなる時なのです。
信頼関係が破綻すれば、恋愛や結婚などの関係も破綻する。
ギブ・アンド・テイクが成立しなければ、恋愛や結婚などの関係も成立しませんが、ギブ・アンド・テイクが成立するためには、信頼関係が密接に関わります。
信頼関係が破綻すれば、ギブ・アンド・テイクも成立しませんので、恋愛や結婚などの関係も破綻します。
例えば、恋愛や結婚が破綻する原因として、不倫や浮気といったものがあげられます。
相手が浮気や不倫をした際にもたらされるのは、不信感です。
それまでは、愛情を与えれば、相手も愛情を返してくれるという信頼の元、ギブ・アンド・テイクが成立していましたが、相手が浮気や不倫をするということは、相手の愛情が自分には返ってこないかもしれないという不信感を生みます。
この不信感があると、仮にそれまでと同じように相手が愛情を返したとしても、浮気・不倫相手にはもっと大きな愛情を与えているのではないかと、自分が与えているものに比べ、相手が返してくれるものは見合わないと感じてしまいます。
そもそも、愛情を返してくれないかもしれないという疑念を持っていますので、こちらから愛情を与えるということをしなくなることもあります。
いずれにせよ、不信感はギブ・アンド・テイクの成立を妨げますので、信頼関係が破綻した時点で、ギブ・アンド・テイクは不成立となり、恋愛や結婚など”愛”が絡む関係も破綻するのです。
相手が不倫や浮気をしても、恋愛・結婚関係が破綻しない場合もあります。
これは、信頼関係が残っているからです。
浮気・不倫をしたが、心を入れ替えて、これからは与えた愛情以上に、相手が愛情を返してくれるであろうというある種の盲目的な信頼です。
あくまでも、それがどのようなものであれ、信頼関係の有無が恋愛・結婚などの関係の破綻に影響するということです。
信頼関係を大切に
最近、「婚活」という言葉をよく耳にします。
結婚相談所に登録して、結婚相手に求める年収1,000万円以上などと言う女性がいたりします。
これには、批判もあるでしょうし、個人的にも、あまり気分の良いものではないと感じますが、ある意味、正直でわからなくもないなとも思います。
出会うまではどんな人かわからないのですから、信頼できるかどうかもわかりません。
信頼できるかわからないのですから、ギブ・アンド・テイクも成立するかわかりません。
だから、目に見えてわかるお金というものを一つの条件としているのだと思います。
こちらが何かを与えても、何が返ってくるかはわからないけど、少なくとも、(実際にはどうかわからないが)年収1,000万円レベルの生活を返してくれるだろうという信頼はできそうだからです。
まあ、相手の男性からしたら、”俺はATMか?”という不信感を持つでしょうから、成立する可能性は低いでしょうが…。
それはさておき、恋愛や結婚という関係においても、それを成立させ維持するには、信頼関係が必要だということです。
恋愛や結婚関係が上手くいかない人は、信頼関係を大切にすることを意識したほうが良いかもしれません。
また、相手を信頼できなくなったら、その関係はうまくはいきませんので、信頼できなくなった時点で、早めに関係にけりをつけるほうがいいでしょう。
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