先日、世間一般では、”底辺”と呼ばれる仕事をしている会社の社長に会う機会があった。
その際に、”誰にでもできると思われているから、社会的評価が低い”ことを話しておられ、「誰にでもできる仕事じゃないんだけどね~」と言っておられたのが印象的だった。
世の中にあるほとんどの仕事が誰にでもできる仕事
世の中に存在している多くの仕事が、誰にでもできる仕事です。
もちろん、専門性を求められたり、高度な技術を求められる仕事もありますし、難しい資格を取得しなければできない仕事もありますが、極端なことを言ってしまえば、それらの仕事だって、努力をすれば、誰でも就くチャンスはあります。
また、世の中には専門性も、高度な技術も、難しい資格も求められない仕事のほうが多いのではないでしょうか。
もちろん、仕事内容を想像して、出来そうとか、出来なさそうと思うことはあるでしょうが、やってみれば程度の差はあれ、誰もがそれなりにこなせる仕事がほとんどなのです。
よく、”あいつは仕事ができない”などと言う人がいますが、そう言っている人と、仕事ができないと言われている人を比べてみると、仕事の出来、不出来ということに限ってみれば、そこまで大きな差はないことがほとんどです。
仕事ができる、できないという評価には、実際の仕事の出来、不出来とは関係のない要素も大きく影響しているのです。
だから、実際にはそこそこ、その仕事ができていても、”仕事ができない”という烙印を押されて、”自分にはできない仕事なんだ”などと感じている人もいるかもしれませんが、それは、主観による仕事ができないという評価を与えられたにすぎず、実際には誰にでもできる仕事なのですから、そこそこはできているのです。
底辺の仕事
仕事に底辺もくそもないと、思っていますが、世間一般の価値観から見れば、底辺の仕事というものが存在します。
仕事内容のわりに、賃金が安いとか、就きたがる人がいないとか、誰にでもできる仕事が底辺の仕事と言われているようです。
誰にでもできる仕事と思われているから、仕事内容のわりに賃金が安くなり、その結果、就きたがる人が減少して、底辺の仕事と言われるようになるのだと思いますが、上記で述べたように、世の中の仕事は、その多くが誰にでもできる仕事なのですから、世の中の多くの仕事が底辺の仕事のはずです。
それにも関わらず、底辺の仕事と言われる職種はある程度、限定されています。
その差は、誰にでもできると思わせてしまったかどうかで生まれたのではないでしょうか。
実際には、多くの仕事が誰にでもできる仕事なのですが、誰にでもできると思わせなかった仕事は底辺と呼ばれず、誰にでもできると思わせてしまった仕事が底辺と呼ばれているのではないかと思います。
誰にでもできる仕事と思わせたのはあなたたちです
さて、はじめの”底辺”と呼ばれる仕事をしている会社の社長の話に戻りますが、「誰にでもできる仕事じゃないんだけどね~」と言っていながら、”誰にでもできる仕事”と思わせたのは、その社長であり、その社長以前に、その仕事に携わった人々なのです。
また、一度ついたイメージを払拭するのは簡単ではないとは思うのですが、その社長の会社の社員は”誰にでもできる仕事”と思わせるような仕事ぶりなのだともいえると思います。
社長という立場は難しいのでしょうから、変に自分たちの仕事の価値はもっと高いと主張して、仕事を失って社員を路頭に迷わすわけにもいかないのでしょうが、自分たちの仕事の価値を高めるような仕事をするということも必要なのではないかと思います。
いずれにしても、その業界にいる人が、”誰にでもできる仕事ではない”などと言っても、世間は”はいはい”とくらいしか思ってくれません。
自分の就いている仕事の地位は、自分の仕事ぶりで高めるしかないのかもしれません。
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