最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)の連勝にみる空気の力

雑感

将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が昨日の2017年6月15日の名人戦順位戦C級2組の対局で、デビュー以来負けなしの26連勝を決めた。

私は将棋は全くと言っていいほど知らないのだが、一見すると純朴そうな普通の子といった感じの少年がこういった結果を残しているのは、素直にすごいなと思う。
これは、藤井聡太四段の才能・努力・運・実力によるものだということは疑いようもないのだが、彼らを取り巻く空気の影響もあったのではないかと思うのである。

場の空気

ここでいう空気とは、その場を支配する雰囲気や情況のことである。
最年少プロ棋士ということだけも、注目を集めると思うが、その少年がデビューから公式戦負けなしの連勝を続け、連勝記録の更新も目前に迫っているのである。
注目されて当然と言えば当然だが、普段は将棋に関する報道などほとんどしないワイドショーなどでも取り上げられている。それによりますます注目度は上がる。
こういった状況の中でできあがった、そこにある空気とは、藤井聡太四段は連勝記録を更新するまで負けてはいけないという空気ではないだろうか。

空気にのまれる

藤井聡太四段がここまで連勝できたのは、対局相手も含め、周囲の人がこの空気にのまれたからなのではないかと思う。
彼の連勝は不断の努力と実力によることは、重々承知している。
しかし、場の空気というものも少なからず、影響しているのではないかと思うのである。
彼の対局相手も当然プロで勝負の世界に生きている人たちだ。
おそらく、こんな若造に負けてたまるか、というような気持ちで必死で準備をし、勝ちに来ていることであろう。
それでも、負けているのだ。
単に対局相手の実力不足というだけでは、26連勝の説明がつかないのではないかと思う。
藤井聡太四段に勝ってほしいというマスコミや世間の人々の期待、邪推かもしれないが、これだけ注目を集めているのだから、将棋連盟の人たちも、どこかで藤井聡太四段に勝ってほしいという期待があっても不思議ではない。
そういった空気にのまれてしまい、場の空気によって与えられた役割を演じるべく、無意識的に負けを選択させられてしまっているのではないかと感じるのである。

空気を読む

我々は空気を読むことを常に求められる。
そして時には自分の希望や気持ち等と裏腹な言動を強制される。
空気を読めなければ、その集団なり、人間関係なりから批判され、排除されてしまうからだ。

我々は、場の空気に支配され、場の空気の演出指導のもと、場の空気によって与えられた役割を演じさせられて生きている。

物心ついた時からこのように生きているのだから、藤井聡太四段の対局相手が、知らず知らずのうちに場の空気を読んでしまい、敗者という役割を演じてしまっている可能性は大いにあるであろう。

場の空気は、人を縛る呪縛だといってもいいかもしれない。それほど空気の力は大きいのだ。

さて、”空気?そんなもの知らんわ”と、場の空気の呪縛を破り、藤井聡太四段の連勝をストップさせる棋士は誰になるのか楽しみである。

最後に

我々はこの空気というものに支配されて生きているのだが、空気を読む必要などないとは言わない。空気を読んで役割を演じることも社会で生きるということの一部だからだ。

だが、空気を読んで敗者を演じてばかりいる人生というのもつまらないものだ。
必要な時、肝心な時には”空気?そんなもの知らんわ”と空気を無視して、自分の意思で勝者になりたいものである。

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