日本は、人も物も使い捨ての社会だなとつくづく思う。
最年少プロ棋士の藤井聡太四段（14）が7月2日、「第30期竜王戦」決勝トーナメント2回戦で佐々木勇気五段（22）に敗れたという報道は記憶に新しい。
これで、藤井聡太四段（14）の公式戦連勝記録は29でストップした。
それ以前は、連日のように報道されていたのに、翌日の7月3日に、上記の旨を報道したのみで、その後、彼の話題が報道されることは激減した。
恐らく、今後、彼のことが報道されることは多くないだろう。
今回のケースのように、ヒーローを作っては注目を集めるうちは祭り上げ、話題性がなくなれば、ほとんど報道されることはない。
マスコミの性質上、これはまあ仕方のないことなのでしょう。
我々もそれにいいように踊らされていますしね。
このように、ヒーローを作って祭り上げ、旬が過ぎればポイというのを見ていると、何でもかんでもいいように使い捨てるということを改めて実感したのです。
人の使い捨て
人を使い捨てるブラック企業などと言うが、これはブラック企業に限ったことではない。
そもそも、企業に勤める人の中で、使い捨てられる可能性のない人などいない。
状況によっては、ほとんどの人が使い捨てられることだろう。
雇用され、働いている人の中で、自分がいなければ仕事が回らないという人は多くないであろう（自分がいないと仕事が回らないと勘違いしている人は多いかもしれない）。
はっきり言って、我々がしている仕事なんてそんな大したものではない。
一見難しそうに見えても、たいていの人が、誰でもできる仕事をしているのだ。
自分にしかできない高尚な仕事をしたいという人がいる。
こういう人には阿呆かと言いたい。
よほどの専門性や特殊技術を有しているのであれば別だろうが、まともな会社組織であれば、その人にしかできない仕事、その人がいなくなったら仕事が回らないような状況は作らない。リスク管理の点からも、その人がいなくても仕事が回る状況を用意しているものだ。
そもそも、その人にしかできない仕事自体が少ない。その仕事をできる人なんて、代わりを探せばいくらでも出てくる。
よく、使い捨てられないために専門性や技能を身に付けろというが、突出した専門性や技能でなければ、代わりはいくらでもいるのだ。
自分が有用だと思って、偉そうなことを言っている人は、身の程をわきまえたほうがいい。
代わりなんていくらでもいるのだから、いらなくなれば、簡単にポイッと捨てられるのだ。
人間関係でも同じだ。一時期、仲良くし、頻繁に連絡を取り合っていたような人でも、状況が変われば、そのうち疎遠になったりする。自分にとって必要がなくなれば、簡単にその人間関係を捨てるし、捨てられるのだ。
誰でも、いつでも、使い捨てられるし、使い捨てているのである。
人の使い捨てなんて、当たり前のように存在しているし、あなた自身もやっているというのが現実なのである。
自分を過信しすぎないほうが身のためだ
最近は100円均一のお店にいけば、日常生活に必要なものはたいてい手に入る。
服でも、スマホでも家電でも、安くてそこそこの品質のものが手に入る。
安くで手に入るので、不要になれば簡単に捨てるし、故障すれば修理せずに買い替える。
人もそれと同じだ。誰でもできる仕事なのだから、別に高い給料を払い能力の高い人を雇う必要などない。安い給料でそこそこの能力の人を雇えばいいのだ。そして、その人が病気なりなんなりで壊れてしまえば、誰でもできる仕事なのだから、別の人を雇えばいいだけの話なのだ。
最近では、有効求人倍率も上がり、サービス業などで、人材不足となっている状況もあるようだが、わかりやすく、目に見える形で人の使い捨てをしていたからこのような状況になったのであろう。
そういった企業は積極的に外国人労働者を雇用しているようだ。
サービス業関係では日本語もままならないような、外国人の方が働いているのを目にする機会も増えた。それでも、何とか回っているのだ。
私も使い捨てられた経験があるし、使い捨てをしている企業を擁護する気はさらさらない。
ただし、自分を卑下する必要はないが、自分が価値ある人間だなどと勘違いしないほうがいい。あなたにとって代わる人なんていくらでもいるのだから、身の程をわきまえ、謙虚さも持ったほうがいい。
例えば、事務系は人気職種なのでこういった状況は起きていないが、あなたの代わりなんてたくさんいる。今は使い捨てられていないが、不満や愚痴ばかり言っているなら、さっさと辞めればいいと思われているし、そのうち辞めざるをえない状況になってしまうことだってある。あなたが辞めても、代わりはいるのだから誰も困らない。
使い捨てが当たり前の社会でいきているのだから、この事実は心に留めておくほうがよいのではないかと思う。
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