人間性の評価という好き嫌い

人間性の評価という好き嫌い 社会

昨今、人間性というものに対する評価が重視されるようになっています。

新卒の採用試験や、大学入試等でも、試験偏重の選考から、人間性を重視する選考にシフトしてきているようです。

人間性なんてどうやって評価するのでしょうか?

人間性とは?

にんげんせい【人間性】
人間を人間たらしめる本性。人間らしさ。 「 -を失う」

『大辞林 第三版』(三省堂)より引用

 

人間性とは上記のような意味ですが、一般的に用いられている人間性という言葉の意味は、上記のような意味とは異なっていると思います。

一般的に用いられている人間性は、どちらかというと人柄という意味に近いのではないかと思います。

その人の、性格や性質、本性などを指して人間性という言葉が用いられいるのではないでしょうか。

 

人間性の評価とは?

人間性の評価とは、その人の性格、性質、本性を、他者が客観的に評価するということになるのでしょう。

他者が、その人の人間性の優劣や、仕事等であれば適不適を評価するということになるのではないかと思います。

しかし、人間性の評価などできるものなのでしょうか。

人間性というのは、その人の特徴であって、本来は誰かの基準で優劣をつけられるものではないのではないでしょうか。

仕事に対する適不適を評価・判断するということであれば、一見何となく理解はできそうな気がしますが、やはりどう評価するのかよくわかりません。

そもそも、例えば採用選考の場合などは、少なければ一回数分程度、多くても数回程度の面接で判断しますが、それだけで人間性を判断することなどできません。

その程度の回数であれば、一般的に好ましいと思われているであろう人間を演じることだって不可能ではありません。

人間性なんて、ある程度関わってみて初めて分かってくるものです。

そして、客観的に評価できるということもあり得ません。

世の中に公平な客観的評価などない」ですし、評価は関係性に依存する(「事象は関係性の中で生じる」等参照)からです。

つまり、人間性なんてものは、個人の主観でしか評価できないということです。

 

人間性の評価という好き嫌い

人間性は個人の主観でしか評価できないのですから、その良し悪しは、個人の好き嫌いに基づくと言えます。

結局は、評価者と言われる人が、その人に対して好感、つまり好きという感情を持てば、良いという評価が与えられますし、悪感、つまり嫌いという感情を持ては悪いという評価が与えられるということです。

人間性の評価などともっともらしいことを言っていますが、その正体は単なる好き嫌いでしかないのです。

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