いじめについては何度か書いたが、いじめで自殺した子の親が、学校側に原因や責任を追及しているというのは、度々見かける。
親が公の場に出てきていることもあるが、親が一方的な被害者であるかのような様子を見せることがある。
子がいじめで自殺した場合、親に責任はないのだろうか?
いじめはいじめる側が悪いことは間違いない
いじめは、いじめられる側にも原因、問題があるなどといった意見を耳にすることもあるが、個人的には、これは間違っていると思っている。
いじめに関しては、いじめる側が一方的に悪いというのが、私のスタンスである。
もちろん、いじめられる側にも原因や問題と思われる部分があるのも、ケースによっては、事実かもしれない。
しかし、だからといっていじめてもいいという理由にはならない。
何か原因や問題があって、ケンカになったというのならわかるが、原因や問題があったからといって、いじめという個人の尊厳を害する行為をするというのはあり得ない。
どんな原因や問題があろうと、いじめとなった時点で、いじめる側がクズであることは疑いようのない事である。
いじめる側が加害者であるというのは間違いない。
学校や教師は加害者か?
学校の中で起こっていて、いじめに気づいていたのに対処しなかったというのであれば、加害者といえるだろう。
学校や教師が、隠ぺいではなく、本当にいじめに気づいていなかった場合はどうだろうか。
気付かなければ対処のしようがないのだから、加害者と断定することはできない。
だからこそ、学校や教師はいじめを隠ぺいしたがるのだろう。
しかし、学校の中で起こっているいじめについて、いじめられた子が自殺するまで気づかなかったという時点で、学校や教師にも責任は大いにある。
学校は、子どもを健全に育成する場だ。
当然、学校に来る子ども様子には、細心の注意をはらい、いじめが発生しないよう、また、いじめが発生したら早急に対処しなければならないのだ。
それができていないのだから、学校や教師の責任を果たしていないと言われてもしかたがない。
気づかれないように、巧妙にいじめをする者もいるのだろうから、難しい部分も多いのかもしれないが、難しいと言ってしまえばそこまでだ。
そんなことは言っていては、いつまでたっても、いじめはなくならない。
学校や教師は、忙しく大変な仕事と聞くし、真っ当な教師は、頑張っておられることと思う。それでも、昨今のいじめ自殺の報道などを見ていると、もっと頑張れよ言いたくなってしまう。
いじめで自殺した子の親の責任
いじめについては、いじめる側が一方的に悪いというのが私の考えなので、親に責任はない。そういう意味では、親もまた被害者といえる。
しかし、自殺したということに関しては親にも一定の責任がある。
自殺に至らないように保護することができなかったという責任だ。
子どもも思春期ともなれば、反抗的な態度をとったり、親との会話も少なくなったりするかもしれない。
また、子がいじめられていたとしても、子自身が、気づかれまい、心配をかけまいと、それを親に隠すことだってあるだろう。
暴力を伴うようないじめであれば、比較的、気づきやすいかもしれないが、例えば集団での無視など、精神的ないじめは、表面には見て取れないので、いじめられている子ども自身が隠してしまえば気づけなくても仕方がないのかもしれない。
それでも、親は子どもを自殺させるようなことがあってはならない。
きっと、いじめで自殺した子の親は、”なぜ助けてやれなかったのか”と自責の念に駆られていることと思う。
今、我が子がいじめにあっていなくても、明日からいじめられるかもしれない。
子がいじめられていたら、学校に行かせなくてもいいし、様子がおかしかったら、一日中一緒にいてもいい。
何でもいいので親は子が自殺するようなことだけはないように、気を付けてほしい。
最後に
いじめで、誰かが幸せになることはない。
いじめている時はストレス発散になるかもしれないし、嫌な奴を排除できて満足なのかもしれないが、それだけのことだ。
いじめる側が、それで幸せになれることはない。
いじめていた相手が自殺したらどうだろうか。
いじめていた相手やその家族は、当然、不幸になる。
学校や教師だった、そんな事件が起きれば、当然、不幸だ。
いじめていた側だって、被害者家族や、そんな大事件の原因を作ったということで、教師たちからも一生恨まれるかもしれない。
下手をすれば、いじめ加害者として、個人情報をさらされ、人殺しとして、一生、軽蔑され続けるかもしれない。
いじめていた側の親も、人をいじめて自殺にまで追い込むような子を育てた親として、一生後ろ指をさされることだろう。
このように、いじめは当事者のみならず、その周囲の人すべてに不幸しか生まない。
不幸しか生まないのに、いじめをする意味なんてあるのだろうか。
普通に考えれば、馬鹿でも、いじめなんて何の得にもならないことをしてもしょうがないとわかるはずだ。