くすぶり人の戯言

世の中騙し合い

世の中騙し合い

所詮、世の中は騙し合いです。
詐欺師が詐欺を働いて利を得るという場合だけではありません。
多くの人間関係が騙し合いの上に成り立っています。

人間関係はギブ・アンド・テイクの上に成り立つ

人間関係というのは全て、ギブ・アンド・テイクがなければ成立しません。
ギブ・アンド・テイクは物質的な面だけではありません。
精神的な面でのギブ・アンド・テイクが成立していれば、人間関係は成立します。

例えば、ギブ・アンド・テイクとは縁遠そうな親子関係を見ても、ギブ・アンド・テイクは成立しています。子は親から養育を受け取る代わりに、例えば成長などといった喜びを親に与えています。親が子の成長に喜びを感じない場合は、養育を与えない、つまり虐待につながり、親も子もお互いに得るものも与えるものもないのですから、親子関係は破綻します。

恋愛関係や愛情というようなものも同じです。
与えるものや受け取るものというのは、その人の魅力と言われるものです。
彼女の優しさが魅力という男性と、彼といるとホッとするという女性のカップル(夫婦)がいたとします。男性は彼女から優しさを受け取る代わりに、彼女に安心感を与えています。女性は安心感を受け取る代わりに、彼に優しさを与えているのです。
お互いに何も受け取るものがなかったり、一方だけが与えるばかりで受け取るものがない場合、関係は破綻します。

このように、広義で捉えれば、全ての人間関係はギブ・アンド・テイクがあって初めて成り立つのです。

人間関係に潜む騙し合い

我々の人間関係は、全てギブ・アンド・テイク上に成り立っていますが、そのテイク、つまり利益をより多く得るために、騙し合いが蔓延しています。

どの人間関係にも序列というものは必ず存在しています。
日本人だけなのかどうかはわかりませんが、人は自分が優位になりたがります。

例えば、友人関係を見ても、あいつは私より上だなとか、あいつは私より下だなといったように感じたり、似たような話を見聞きすることはないでしょうか。

親友などという言葉がありますが、親友と友達では序列が異なります。
あなたが、親友と呼ぶ人は、きっと今後も失いたくない人なのだと思います。
この時点で、親友はあなたより序列が上だと、あなた自身が規定してしまっているのです。
あなたが親友と呼ぶその人は、あなたのことを親友とは思っていないかもしれません。
そうなれば、あなたは、その親友を失わないために、多くの利益を与えなければならなくなるからです。

友達と呼ぶ人はいかがでしょうか。
親友ほど失いたくないとは思わないことでしょう。
この時点で、友達の序列は親友以下、そしてあなたと同等か、それ以下になっています。
そこまで失いたくないと思わないのであれば、多くの利益を与える必要がないからです。
あなたが利益を与えなくても、友達があなたを親友だと思い、失いたくないと思っていれば、友達は多くの利益をあなたに与えてくれます。

自分が優位に立ちたがる理由が見えてきたと思います。
それは、例えば、会社でも役職が上のものほど給料が高いように、序列が高いほど得る利益は多いからです。

人間関係においても、マウンティングして自分の序列を上位にすることで、自分の立場を優位にし、私はこれだけあなたに与えていると騙して、あなたはもっとくれというのです。

ここには自分の序列を上位にするための騙し合い、私がこれだけ与えているのだという騙し合いが存在します。

本来、人に序列というものは存在しません。
それにも関わらず、序列が存在しているのは、正しいか正しくないかもわからないような、曖昧な基準を用いて、それがいかにも正しいことであるかのように騙しているからに他なりません。

誰しもが、自分を優位にして多くの利益を得るために、意識的・無意識的に関わらず騙し合いをしているのです。

騙し合いの人間関係にこだわらない

人間関係は騙し合いです。
社会の中で生き抜くには、時には騙し合いに勝つことも必要なのでしょう。

一方で、自分が搾取されないためにも、騙し合いの人間関係にこだわらないことも必要だと思います。
こだわって、執着すればするほど、騙されやすく自分が搾取されてしまうからです。

人間関係なんて、友人関係や恋愛関係等も含め、時の流れや、自分や自分を取り巻く環境の変化によって変わっていくものです。

去る者追わずの精神でいるほうがいいかもしれません。

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