人間は欲深い生き物です。
何かを得ても、さらなる何かを求めます。
欲深いということは、決して悪い事とは思いません。
欲が生きる原動力にもなります。
しかし、足るを知らないと身を滅ぼすかもしれません。
足るを知らない人
たるをしる【足るを知る】
〔老子〕
身の程をわきまえて、むやみに不満を持たない。
『大辞林 第三版』(三省堂)より引用
足るを知らないとは、身の程をわきまえず、やたらと不満ばかり持っていることと言えるでしょう。
こういった人は、意外に多いのかもしれません。
例えば、
収入が少ないのに、より良い生活をしたいと収入以上の生活を求め、収入が少ないのは社会のせいだと不満を持つ人。
大した努力もしてこなかったくせに、自分の希望する仕事に就けないと嘆く人。
何もしない、人を大切にもしないくせに、自分は大層な人間であると勘違いして、自分を敬えと他者に求め、敬われないことに不満を持つ人
等々、あげれば他にもたくさんあると思いますが、こんな人が足るを知らない人と言えるかもしれません。
足るを知らない人は、不満ばかりです。
その不満を力にして、努力してより良い何かを目指すのであればいいのでしょうか、基本的には”私は悪くない。周りが悪い”という思考を持っているように思えます。
足るを知らないと身を滅ぼすかもしれない
生活水準を上げると、収入が減少しても、生活水準を下げるのが難しいなどと言われます。
これは、収入に見合った生活水準にすることができない、つまり、足るを知らない状態になるということですが、収入以上の生活水準を維持していれば、いずれ貯金は底をつき、生活が立ち行かなくなり、借金に手を出すなんてことになって、身を滅ぼすことになるかもしれません。
大した努力をしてこなかったのですから、今の仕事で生活できる程度の収入を得ていることも奇跡に近い事なのに、自分の希望する仕事ができないと転職を繰り返していては、いずれ、どこにも採用されなくなり、自分の希望とはかけ離れた、絶対にその仕事だけには就きたくないと思っていた、世間一般では底辺と言われる仕事しか選択肢がなくなるということになるかもしれません。
何もしない、人を大切にもしないのですから、相手にしてくれる人がいるだけ”まし”なのに、それに飽き足らず、自分は大層な人間なのだから、自分を敬えと他者に求め、敬われないことに不満を持っていては、そのうち誰にも相手にされなくなるかもしれません。
足るを知らないと身を滅ぼすことになるかもしれませんよ。