人は今あるものを守りたがる
人は、今あるもの、手にしたものを、守りたがります。
それは、今あるものが大事だからではありません。
もちろん、今あるものが大事だから守りたいということがないわけではありませんが、今あるものを守りたいのは、大事だからというよりは、今あるものを手放すのが不安だからというほうが大きいのではないかと思います。
例えば、今最低限の生活ができるだけの収入が得られる仕事に就いていたとします。
その仕事は、やりたいことでもなく、楽しくもなく、やりがいもない、最低限の生活ができる程度の収入が得られるということ以外に、全く魅力のない仕事です。
年齢や能力的には、探せば、他のやりたい仕事に就ける可能性は十分あるのです。
そんな人でも、別の新しい仕事を目指して、今の仕事を辞めるという選択をしない人も多くいます。
それは、新しい仕事を目指す、リスクや不安があるからです。
リスクや不安があるからこそ、最低限の生活ができる程度の収入を得られるということ以外に魅力がない仕事にしがみつきます。
不安というのは、人に苦痛を与えます。
人は本能的に、苦痛を避けるものです。
新しいことに挑戦すれば、必ず何らかのリスクはあり、不安を伴います。
その結果、不安を避けるために、今ある仕事を守ろうとします。
今あるものを守っても、新しいものは得られない
今あるものを守っても、新たに得られるものはありません。
上記の例でいえば、今の仕事にしがみついても、最低限の生活ができる程度の収入を得られるということ以外に得られるものはないのです。
今あるものを守って、”何か良いことないかな”なんて思っていても、何も良いことはありませんし、新しい何かを得ることなんてできないのです。
人が、手にできるものなんて限られています。
例えば、仕事ということで考えても、正社員として複数の会社に同時に勤めるということは、ほぼ不可能です。
新しい何かを得たいのなら、今あるものを手放して、新しいものを得るために、リスクを負って、不安に立ち向かうことが必要なのです。
今あるものを守るのは悪い事ではありません。
それも一つの生き方です。
どちらが良い悪いという話ではありません。
ただし、今あるものが、守るべき価値のあるものかどうかは常に意識しておく必要があるかもしれません。
守るべき価値と、新しいものを得るための挑戦をする価値を天秤にかける必要があるからです。
両者を天秤にかけて、勝ったほうを選択すればいいのだと思います。