例えば、”幸せになるための3つの習慣”などといったように、”幸福になるための〇〇”とか、”人付き合いが楽になる××”のようなタイトルで、自己啓発的な内容が書かれた記事や本がたくさんあります。
このブログでも似たようなことを、書いているものもあります。
自分で書いておいて何ですが、こういうものって基本的に役に立たないと思っています。
正しいとか、間違っているとかは関係ありません。
パターンは簡単には変わらない
自己啓発方法の中には、よく考え方や物事の捉え方を変えろといったことについて言及されています。
しかし、考え方や物事の捉え方のパターンというのは、生まれてから今まで生きてくる中で、身に付け形成されたものです。その考え方や、物事の捉え方のパターンこそが、個性と言われるものでもあります。
我々は、日本語を勉強して話せるようになったわけではないですよね。
生まれてから、生活する中で自然と話せるようになりました。
この言葉を覚えるのと同様に、考え方や、物事の捉え方のパターンは、今まで生きてきた中で自然と身に付けてきたものです。
癖と一緒で、変えろと言われて、簡単に変えられるものではありません。
例えば、自分らしく生きるために、周囲の目を気にするなというように教えられたとします。
周囲の目を気にするなと言われて、気にしないようにできるでしょうか?
簡単にはできません。
それは、周囲の目を気にするのが、パターンであり、癖だからです。
周囲の目が気にしないようにしようとしても、気になるものは気になりますし、どうしようもありません。気にしないようにしようと思っている時点で、すでに周囲の目が気になっているのです。
で、周囲の目を気にするなとは言うのですが、肝心の周囲の目を気にしないためにはどうすればいいかということについて言及されているものは皆無に等しいです。
そんな方法はないのですから、言及されていなくても当然と言えば当然です。
つまりは、実践不可能なことをやれと言われているだけなのです。
因果関係が曖昧
自己啓発的なもので、もう一つ多いのが、成功者の習慣を真似るというものです。
例えば、お金持ちや、仕事で成功している人は、朝早く起きて、その時間を有効活用しているといったものです。
この場合、確かに、お金持ちや、仕事で成功している人は、早起きで、その時間を有効活用している人が多いのでしょう。
しかし、統計的に見て、相関関係があるのかもしれませんが、因果関係ははっきりしません。
つまり、早起きで、その時間を有効活用している人に、お金持ちや、仕事で成功している人が多いというのは事実なのでしょうが、お金持ちになれたり、仕事で成功できた理由が、早起きで、その時間を有効活用した結果だとは限らないということです。
見落としているだけで、本当はもっと他の理由があるのかもしれません。
お金持ちや、仕事での成功者は、寝る暇も惜しんで、めちゃくちゃ努力していたのかもしれません。めちゃくちゃ努力していたから、時間を確保するために朝早く起きていただけのことかもしれません。この場合、お金持ちになったり、仕事で成功した原因は、めちゃくちゃした努力であった、早起きとは特に関係はありません。努力のために生じた副産物にすぎないのです。
それを、表面的に捉え、成功者は早起きして時間を有効活用しているから、といって真似をしても無意味です。めちゃくちゃな努力がなければ成功者にはなれないのです。
紹介されている自己啓発方法は、成功者はこうしていると主張するだけで、こうしていることと成功の因果関係が曖昧なのです。
成功者とあなたは異なる人間です
自己啓発的なことを説いているものは、過去の成功者の例に習うか、自分が実践して成功した方法の紹介のどちらかです。
これらを真似したからといって、あなたが成功できるとは限りません。
なぜなら、過去の成功者も、自分が実践して成功を勝ち取った人も、あなたとは異なる人間だからです。
能力、人種、育ってきた環境、今置かれている環境等々、ありとあらゆるものが異なります。
ありとあらゆるものが異なるのですから、成功者たちが言うようなことが、実践できるだけの素養がないかもしれませんし、成功者たちが言うことを、正しく理解し、正しく実践できるとは限りません。
加えて、そもそも、成功者たちとあなたでは定義が異なっていることだって大いにあります。
自己啓発的なことを説いているものは、大体が、幸福になるにはとか、成功するにはといったものですが、成功者たちの言う、幸福や成功と、あなたの求める幸福や成功の定義が異なっていることだってあります。
紹介されている成功者たちの幸福や成功の定義を知らないと、例え何かを実践したとしても、あなたの求める幸福や成功とは異なる、あなたにとってはどうでもいいようなものしか手に入らないかもしれません。
自己啓発的なことを説いているものは、いろんなところから、口当たりや肌触りの良さそうなものを引っ張ってきて紹介しているものが多いです。
それを実践したら、どんな幸福や成功が得られるのかよくわからないのです。
最後に
上記のことから、世の中に溢れている、自己啓発的な”幸せになるための〇〇”とか、”成功するための××”といった類のものは、実践不可能で、根拠も乏しい、大して役に立たないものだと、私は考えています。
結局、自分の幸福なり成功なりを得るためには、試行錯誤し、努力しながら、自分なりの方法で勝ち取るしかないのだと思います。
偉そうなことを言っていますが、ここで私が言っているのは、今の世の中にたくさん紹介されている自己啓発方法は、役に立たない無意味なもので、成功や幸福になる方法なんてわからないから自分で見つけろということだけです。
人にとって何のプラスにもならない、世の中に溢れる自己啓発法以上に無意味で役に立たないことを書いているという自覚はあったりします。
成功や幸福を掴むための、ヒントやきっかけになるかもしれないことを紹介している、世の中に溢れる自己啓発方法のほうがはるかにマシだなと思ったりします。