くすぶり人の戯言

お金を出すのも親の愛

お金を出すのも親の愛

私は、自分の家族に対し、あまり思い入れがありません。
しかし、最近、ふとお金を出すのも親の愛かなと思いました。

過去を振り返って

私は、子供の頃に、家族で旅行をしたとか、誕生日を祝ってもらったという記憶がほとんどありません。夏休みでもお盆の時期に、祖父母宅へ行くぐらいで、他にどこかに連れて行ってもらったこともほぼありません。

年の離れた兄がいるのですが、兄から見ると私は末っ子で、親に可愛がってもらっていたそうです。それに対して嫉妬があったのでしょう、私はよく兄に殴られていました。兄は手が付けられないくらいの時期がありましたので、殴られている私を親は助けられなかったようです(私からすれば、親が助けてくれなかったですが…)

そんなこんなで、自分の家族が好きだなんて感情はほぼないですし、家族という意識さえ希薄で、親に愛情を注いでもらったなんて全く思っていません。

実家をでて、一人暮らしをすることだけを目標に大学に進学し、それ以降は、ほぼ実家には帰っていません。

ただ、今振り返ると、親はお金だけはきちんと出してくれていたなと思います。
私が何か習い事等をしたいと言えば、月謝等お金がかかることでもさせてくれましたし、大学時も、学費や大学生が生活するには事足りるだけの、生活費の仕送りもしてくれました。

親としては、お金を出すことが一番大変なことだから、その一番大変なことだけはちゃんとするというポリシーがあったようです。

お金を出すのも親の愛だとは思う

これは、自分が働くようになって、初めて気づけたことです。
お金を稼ぐというのは、楽ではありません。
嫌な思いもたくさんしながら、身を削ってお金を稼いで、そんなお金が大学生ともなれば、毎年数百万円単位で出ていくわけですから、お金を出すのが一番大変というのも納得できます。

家族に対する思い入れが希薄な私ですから、大学生の時は、親なんだから、今まで他に何もしてくれなかったんだから、学費や生活費ぐらい出して当たり前、もっとお金をよこせぐらいにしか思っていなかったと思います。

お金を稼ぐ大変さを、身をもって知って初めて、お金を出すということも親の一つの愛だなと思うようになりました。

お金を出すのが親の愛と気づけるのは、子どもが大人になってから

子どもは早いうちに、お金を出すのも親の愛の一つだと気づくほうが良いとは思います。
でも、はっきりいって、これは無理だと思います。
結局、人間なんて、自分が身をもって体験したことしかわからないのです。
お金を稼ぐ大変さを知らない子どもに、気づけというのは無理な話です。

だから、大人は、お金を出すのも親の愛だなんて子どもに押し付けてはいけません。
それで、子どもに親の愛が伝わることはありません。
それどころか、お金さえ出していれば良いと思っている、ろくでもない親と思われてしまうことだってあります。

言葉でも何でも良いので、お金以外の形で、もっと子どもにわかる形で、愛情表現をするほうが良いのだと思います。

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