誰もが帰る所を求めている
それは、人なのかもしれませんし、どこかの場所なのかもしれません。
誰もが帰る所を失って、帰る所を求めているのです。
子どもの頃は、母や父のもとが帰る所であったのかもしれませんし、家族が住む場所が帰る所だったのかもしれません。
もしかしたら、物心ついた時から、帰る所なんてなかったなんて人もいるのかもしれません。
そうして今も、帰る所なんてないという人がたくさんいるようにも思います。
帰る所はどんな所でしょうか。
それは、心が安らぐ所、心が平穏でいられるところ、疲弊しボロボロになった心を癒せる所です。
それは、大切な人のもとなのかもしれませんし、1人で好きなものに囲まれる自宅かもしれませんし、自然が溢れる場所なのかもしれません。
心が安らぎ、平穏でいられ、癒される、そんな所に誰もが帰りたいと願っていて、そんな帰る所を誰もが求めているのではないでしょうか。
帰る所を求めて彷徨って
もしかしたら、帰る所を求めて彷徨うのが人生なのかもしれません。
帰る所もなく、根無し草のように生きているから、生きるのが辛いと感じたり、自分探しなんて言葉が流行ったりするのかもしれません。
帰る所がないというのは何とも不安なものです。
例えば、自分の自宅がなくなったことを想像してみてください。
もちろん、ネットカフェなどで生活しているなんて人もいるのですから、全ての人が自宅がない事に不安を感じるとは言えません。
しかし、多くの人が不安を感じるのではないでしょうか。
仕事や学校が終わっても、帰って眠る場所も、身体を休める場所もないのです。
どこに行けばいいのかすらわからないのです。
そして、どこにも行けず、身体を休めることもなく、明日を迎えるのです。
こんな生活に不安を感じず、こんな生活を長く続けられる人はそれほど多くはないと思います。
だから、誰もが、帰る所を早く見つけたいと願い、彷徨っているのかもしれません。
多くの人の心がホームレスなのでしょう。
「早くどこかへ帰りたい」
日渡早紀さんの漫画『ぼくの地球を守って』(白泉社)に、「早くどこかへ帰りたい」という台詞が出てきます。
この漫画に出会ったのは、随分と前ですが、出会ったころから、この台詞がずっと引っかかっているし、共感もしている。
未だに、「早くどこかへ帰りたい」とセンチメンタルな想いを持って生きているし、もしかしたら、他の多くの人も、「早くどこかへ帰りたい」と思って、生きているのかもしれない。
誰もが、早くどこか帰る場所を見つけられるといいなと思う今日この頃です。