日本では、一度レールから外れると、やり直しがきかないなどと言われます。
そして、レールから外れると”底辺”にしかなれず、クズと言われます。
レールから外れたからクズなのか?
レールとは日本社会で言えば、良い大学に入り、良い企業に就職して、定年を迎えるというのが一般的なイメージかと思います。
そして、Fラン大学に入り、零細企業にしか就職できず、転職を繰り返して、世間で底辺といわれる仕事にしか就けないというのが、レールから外れた人生と言えるのでしょう。
レールとは、世間一般の価値観によって敷かれたものです。
その世間一般の価値観に沿わないというだけで、クズと言えるのでしょうか。
世間一般の価値観に沿わないのですから、世間一般から見れば、クズなのかもしれません。
しかし、世間一般の価値観が正しいとは限りません。
例えば、”フリーター”という言葉が、世に出始めたころは、新しい生き方として比較的ポジティブに捉えられる側面もありましたが、今では、フリーターは”負け組””人生終わった”生き方という価値観が大半を占めることでしょう。
世間一般の価値観というのは移ろいやすいものです。
それまで、レールに沿っていた人も、世間一般の価値観が変わってくることで、レールから意図せず外れてしまうなんてこともあるかもしれません。
レールなんてものは、世間一般の価値観でしかなく、正しいものではないのです。
そこから外れることだけでクズとは言えないとは思います。
一方で、世間一般の価値観というのは、絶対というものではないにしても、世間の多くの人が共有している価値観でもあるのです。
そこから外れれば、世間一般からはクズと言われてもしかたがないのかもしれません。
クズだからレールから外れるのか?
世間一般の価値観であるレールに沿って生きていれば、それなりの人生を送れます。
そして、レールから外れれば、それなりの人生を送れなくなるのです。
多くの人が、レールから外れることを恐れ、レールに沿って生きることを望むことでしょう。
それにも関わらず、レールに沿って生きられないのです。
それは、レールに沿って生きるだけの能力がなかった、つまり、もともとクズだったからレールから外れたと考えることもできるかもしれません。
しかし、世の中にはレールから外れた成功者も多くいます。
むしろ、有名な成功者にはレールから外れている人のほうが多いのかもしれません。
成功者とは、世間一般の価値観で成功者と見なされているのですから、彼らをクズと見る人はいないことでしょう
クズだからレールを外れる人もいるでしょうが、レールを外れた者すべてがクズとは言えないのではないでしょうか。
レールはたかが世間一般の価値観、されど世間一般の価値観
レールというのは、世間一般に蔓延る価値観でしかありません。
レールから外れることへの不安を煽る人や、レールから外れた人をバカにする人は、所詮、不満を抱えながらも、レールにしがみついてしか生きることのできない人です。
あなたの望む人生が、レールを外れた先にしかないのなら、レールを外れるべきなのでしょう。
しかし、レールから外れたからといって、必ずあなたの望む人生送れるわけではありません。
あなたが望む人生を送れなかったとしても、元のレールに戻ることはできないのです。
そして、レールに戻れないばかりか、レールという世間一般の価値観を軽視したクズと見下されるのです。
身の程をわきまえて、レールの上を歩むことも一つの選択です。
どちらが良い悪いということはありません。